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「勁草(黒川博行)」ってオレオレ詐欺が題材の小説を読み終えた。

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オレオレ詐欺が題材の「勁草(黒川博行)」をたった今読み終えたところである。

疫病神シリーズの主人公の冴えない建設コンサルタントもそうだったが、この小説の主要人物であるオレオレ詐欺の下っ端コンビのうちの一人もハイライトを愛煙している。
自分もタバコはハイライト。
しかも、いつも黒川博行さんの小説の舞台となる大阪に暮らす自分にとって、暮らす街と煙草が同じというだけで、かなりの親近感を覚え、話にのめり込んでしまう。

黒川博行さんの小説を読み始めたのが確か昨年の夏の頃で、疫病神シリーズは全部読み、堀内・伊達シリーズも三作全て読み、あと後妻業も読んだ。
映画化された後妻業(後妻業の女)と疫病神シリーズの「破門」も観た。
後妻業の女は良かったが、破門は今ひとつだったけど…

ところで、今回先ほど読み終えた「勁草」は、今まで読んだどれにも劣らない面白さだったのだが、今まで読んだ黒川作品と違うと感じた点は「刑事が真面目」な点である。
今まで読んだ作品のどれも出てくる刑事は不良警官だったのだが、今回の作品でオレオレ詐欺集団を追い詰める刑事コンビの二人は真面目であるだけでなく、優しさまでも兼ねそろえたいわゆる「ええ人」である。

そんな刑事コンビとオレオレ詐欺の下っ端のチンピラコンビの追う側と追われる側の視点を別に分けて語られるストーリーは、騙す側と騙される側と騙す側を揺する側とに分けて進められた「後妻業」を想い起こさせた。

ただのうだつの上がらないチンピラだと思っていた二人が成り行きで、自分達の雇い主である西成のNPO法人を語りつつ名簿屋をやっているオレオレ詐欺の金主であり、バックにヤクザもつく男を殺ってしまうところから、話は急転直下しまるでアクション映画のような展開を見せる。

オレオレ詐欺を取り締まるはずが、殺人事件にまで事が広がり、翻弄される警察側と刑事コンビ。

後半、大阪から沖縄へ、再び大阪へ戻りまたもや沖縄へ、と事件解決犯人逮捕のため駆けずり回る真面目で優しい二人の刑事コンビを心から応援しつつ、犯人を追い詰めたところで…

ラスト、スパッと終わった読後感は悪くはなかったです。